クラシックギターの音楽に良い響きの
音楽室を求め続けていたら
湯河原にスゴイ音楽室がある家ができました。
ギターのサロンコンサートができる場所として
「サロン和韻・湯河原」を建築するにあたって
“ギターの音が美しく響く音楽室”
を作りました。
その音楽室で演奏してみました。
西洋音楽は響きが大切
私の仕事はクラシックギタリストです。
住まいは横浜の狭いマンション。
その家では練習していても
響きが悪く、物足りない。。。
古いマンションなので天井が低く
物があふれてちらかっています。
それらが響きが悪い原因の一つです。
響いてしまうと近所迷惑になる
と思う方が多いと思いますが
そもそも西洋音楽は
“響き”の音楽/span>
響きが大切なのです。
スペインの住環境
私のレパートリーは
19世紀に活躍していた
F.タレガやフェレールといった
スペインの作曲がメインです。
若い頃にスペイン留学して学んだ
和音の響きや音色は
日本に帰国して
再現するのが難しいことに気がつきました。
スペインの住居は
空気が乾燥していることもあり
よく響きます。
床はタイルや石などの硬い素材で作られ
壁は漆喰でできていることが多いです。
都市部の街は元は城下町だったこともあり
マンションが連なっており
道幅が狭く
向い同士のマンションの壁で反響し
街全体が響いています。
そんな音を聴き続けているスペイン人の耳は
響きをよく聴き取るように
発達していると思われます。
日本の家
日本の一般的な家は
古来は木や紙で作られることが多く
平家や二階建てが主な家屋です。
湿度の関係もあり響きはよくありません。
その環境にあった音楽が発達していきました。
西洋音楽向けではないのです。
現代の都市部のマンションでは
今、私が住んでいる家と同様に
物に溢れ響きは悪いです。
また、お隣に聞こえないよう
響かないような素材にしています。
スペインの音の再現
クラシック音楽というジャンルは
作曲された楽譜から
作曲者の意図をくみとり再現する
というジャンルです。
スペインの作曲者は
スペインでの音を想定して
曲を作っています。
住んでいる街や部屋に響いた音楽が
作曲者がイメージした本来の形です。
その曲を日本の環境で演奏すると
完全には再現できないのです。
響きの良い音楽室を作る
日本に住んで、日本人が聞くのですから
完全に再現する必要ないのですが
少しでも作曲者に近づきたい。。。
という思いで
響きの良い音楽室を作ることに
ただし建築費の問題から
音楽室に使える面積は
約3畳ほど。
ギターの練習には充分です。
ただ、狭い空間で
ちょうど良い響きを作るのは難しいです。
お風呂で歌を歌うと
よく響きますが
響きすぎて言葉がはっきり聞こえません。
容積が小さく四角い部屋
壁がタイルやプラボードのような硬い素材だと
反響が大きくよく響きますが
元の音がぼやけてしまいます。
天井高へ
そこで設計者が考えたのは
天井高を高くする。
なんと3畳に対して6mの天井高
2階吹き抜けより高い、という
異常なバランスになりました。
まるで中世のお城の塔のようです。
建築途中で
コンクリートむき出し状態で
反響を聞くと
まるで洞窟のような響きで
「これは失敗か?」
と心の中で思いましたが
仕上げ段階で
壁の角にアール/span>(丸くする)をつけ
下地に断熱材、壁紙を貼る、という工程が終わると
とても気持ちの良い響きに!
スゴイ音楽室での体験できます
この音楽室で
ギターの練習をしていると
弾いている自分には
しっかりとした芯のある音が聞こえ
頭上では教会の響きのような
遠く柔らかい音が存在します。
サスティーン(持続音)が短いギターにぴったりの
スゴイ音楽室になっています。
作曲された環境と全く同じではありませんが
日本の気候や
日本人の耳にちょうど良い
クラシックギターの響きと音楽が
再現できたと思います。。
photo by西川公朗
「サロン和韻・湯河原」では定期的にギターコンサートを
開催していきますので
おいでになった際には
音楽室でのギターの響きも
ぜひ体験してみてください。
まとめ
演奏は住環境によって
響く音が違ってきます。
できれば作曲された状況に近い住環境で
練習、演奏した方が
本来の曲の魅力が再現されるものです
そんな響きを楽しみたいですね
最後までお読みくださりありがとうございました
サロン和韻では定期的に
クラシックギターのサロンコンサートを開催しています
湯河原観光や温泉を楽しみながら
サロン和韻でゆっくりとギターの音をお楽しみください
コンサートのお知らせは
「湯河原のギターと建築」ホームページでご案内しています
【スゴイ音楽室がある湯河原のサロンはこちら】
湯河原のギターと建築