私は都会育ちのマンション暮らし
還暦を過ぎて、
突然、湯河原にセカンドハウスを建てることに
私の仕事は
横浜でギター教室を主宰している
クラシックギタリストです。
元々、好きで始めた音楽の仕事。
演奏会や生徒さんとの時間は楽しく
毎日仕事に没頭していました。
第二の人生を考える年齢
でも還暦を迎え
“第二の人生”
“今までと違う時間、空間”
そんなことをなんとなく考えるように。
コロナ禍という時間を過ごし
その思いはさらに募りました。
“自分らしい時間”
“新しい環境”
を漠然と考えるようになりました。
故郷がなくなる
私の住んでいるところは
横浜市青葉区
住所は横浜市ではありますが
横浜駅へは約1時間
渋谷へは25分という
不思議なところです。
横浜都民
横山(浜ではなく)市
と揶揄されるように
海は全く見えず
東京へ通勤通学が便利な
東急の新興住宅地です。
子供の頃は横浜駅に近い
海が見える場所の
庭のある一軒家で住んでいました。
(50年以上も前の話ですよ〜)
歳を取ると多くの人が故郷を思うのと同じように
私も故郷が懐かしくなってきたのかもしれません。
ところが都会者の悲しいことは
帰る故郷がないのです。
生まれ育ったところも
開発されて昔の面影は全くありません。
昔は田んぼでザリガニ取りをしていたのに
その田んぼは全て区画整理され
マンションになっています。
縁側から庭をながめたり
池で金魚をかったり
花壇をつくったり
そんなことは
今住んでいる地区では
土地が高すぎてできません。
便利な場所で庭付き一軒家に住むのには
清貧な(笑)ギタリストには夢の夢。。。
「昔のようなのんびりとした環境ですごしたい!」
と思う一方
今住んでいるマンションは
買い物も出勤も外食も便利で
快適な温度と
台風でもびくともしない安心さ。
デパートには20分以内に行け
映画館も商店街もすぐ近くという
超都会暮らしです。
今更、田舎に引っ込み
不便な生活は耐えられそうにありません。
この人生で一軒家はもう無理だな〜
と心のどこかで諦めていました。
人生の夢
長年の夢は
歳を取ったら仕事を引退して
若手ギタリストを紹介するために
自宅でサロンコンサートを主催する。
そんな場所を東京で持ちたい。
ところが
近年の東京の不動産価格はバブル以来の値上げラッシュ。
中古のマンションですらとんでもない価格に。
なにより、サロンコンサートを開くのには
住宅マンションでは規制があるし
かといって店舗を借りたのでは経営が成り立ちません。
今のマンションでは狭くて観客5名で満員。
広い一軒家でなくては無理。。。
このまま何となく働いて
いつか年老いて引退して。。。
夢は夢だなあ
心のなかで思っていたのです。
ところがコロナ禍のおかげ?で
心身ともに疲れ
何か新しいこと
新しい環境に身をおきたい
そんな思いが強くなりました。
折しも、父が亡くなり
少しまとまった遺産が入ることに。
このまま仕事をやめて
家でのんびり隠居生活になろうか。。。
そんなことも考えました。
思いつきの人生
そんな時に
気分転換で1泊で
湯河原温泉に行くことにしました。
湯河原は子供の頃から馴染みがあり
熱海より静かで
ひなびた温泉街の雰囲気が好きでした。
そうだ。。。!
湯河原なら土地も安いし
一軒家を建てられるかも。
家からも電車で2時間弱
車なら1時間くらい。
週末の家にぴったり!
と思いついたのです。
土地が安ければ遺産に少し足せば
予算も間に合うのでは?
今までも
先のことはあまり考えず
やろう!と思ったらすぐ走り出して
失敗する。
そんな人生を送ってきました。
でもまた、そんな気楽な気持ちで
スタートをきったのです。
“思いつきで始めた家作り”
でもこれが失敗の始まりでした。
つづく